こんにちは。三連休の初日はあいにくの天気のスタートですね。でも、雪の日は子供の頃からとても好きです。
最近のファクトリーの様子を紹介します。
中央の作業机は、相変わらずゴチャゴチャしています。
奥のインダストリアルのコーナーには、実験器具がズラリ
ガーデンはアヒルが仲間入りしました。
和室は少しすっきりしました。
建具や
ランプや
雑貨も随時入荷しています。
さて、最近は朝の営業前の時間を使って、今までできなかったところの片付けなどをしています。
その最中に懐かしい本を見つけました。
A MAGAZINE “JUN TAKAHASHI UNDER COVER”
この本は、ベルギーのアントワープにある博物館から発行されていて、毎回ファッションデザイナーが、一冊まるごとディレクションする雑誌です。2006年にアンダーカバーの高橋盾さんが手がけたものを当時探して二冊買いました。
アンダーカバーについてや、内容についてはここでは触れませんが、この本を読んで、とても印象的だった事が、2つありました。
ひとつは、巻頭にある平川武治さんのコメントでした。
平川さんは日本で唯一のファッションジャーナリストだと僕は思っています。ファッションという西洋の文化をこの日本で、感覚的にかつロジカルに捉え、思想を持って発信している人だと思います。
現在姉妹店のstore in historyという、服屋さんを計画していた当時の僕にとって、平川さんのコメントはとても印象深いものでしたし、今なお、それは変わりません。
そして、2つ目はジョニオのオフィスの写真です。
一枚目から、どのくらい時間が経過して二枚目にあるカタチになったか分かりませんが、この二枚の写真は僕の過ごした時代そのものでした。
僕の主観で、少し解説させてもらいます。
壁にはギッシリとポスターやブリスターに入ったオモチャ、スタッズだらけのライダース、レコードのジャケットが貼られています。机の上にもフィギュアやわけのわからない物があり、中には同じものが2つ、3つとあります。
僕も10代に、まるで何かを埋めていくかのように、また、自分自身を形成していくように、雑貨や古着を買いまくりました。
そして、二枚目ですが、あれだけ沢山あった、フィギュアやポスターなどは、最小限に選別され、ぬいぐるみはひとつひとつガラスのドームに納められています。壁には数枚の大きな絵が飾られ、机の上のMacintoshは最新(当時の)のものになりました。
きっと、ジョニオの生活も、頭の中も、すべてがこのオフィスのように整理され、ある時間の経過とともに変化したんだと、思いました。
僕は、この大きな変化を見た時に、2つの空間の変化の背景にある、ファッションデザイナーのある種の”潔さ”のようなものを感じ、感動しました。と、同時にこれからの時代の象徴的なイメージビジュアルのひとつとして、鮮明に脳裏に焼き付いた事を覚えています。記憶や記録としてはどちらも比べる事のできない良さがあり、特に一枚目の雰囲気は僕らの世代にとっては、既にノスタルジーを感じる事ができる領域かもしれません。
反面、ファッションに携わる人間としての視点からみると、一枚目は古臭く感じると今は思います。そして何より、僕自身が心地よいと感じたり、今の気分だと思える空間や雰囲気は確実に変化してきていて、一枚目の空間には、やはりその場所はないのです。
そういえば、最近アンティークやさんや、雑貨やさん、アクセサリーのお店などで、ガラスのドームをディスプレイに利用していたり、大きな絵画が飾られた服屋さんを見かけます。
ファッションデザイナーは、まるで予言者のように、そして、爽やかに未来の世界を創造するのではないでしょうか?
現在、僕はstore in factoryという場所を中心に古い物に囲まれながら生活をしていますが、この本を久しぶりに見たことで、やはりファッションという観点の面白さ、独創性を改めて、再確認する事ができました。そして、store in factoryとして、古い物での空間の演出や提案をする身として、より良いものをつくるんだと、強く思います。
store in factory
営業中。
原