Mondial dining chair by Gerrit Rietveld & Wim Rietveld
デ・ステイルの思想とミッドセンチュリーの機能美が交差する、オランダデザインの至宝。
Gerrit Rietveld(ヘリット・リートフェルト) & Wim Rietveld(ヴィム・リートフェルト)デザイン|Gispen社製 "Mondial" Dining Chair
構造が生み出す幾何学的な美しさ。折り曲げられた鋼板とコンパスレッグの造形美。
1958年のブリュッセル万博のためにヘリットリートフェルトがデザインし当時Gispen社に所属していた息子のヴィム・リートフェルトが生産に向けた設計を担当し、名門Gispen(ヒスペン)社から発表された「Mondial(モンディアル)」ダイニングチェア。
直線の座面と背もたれ、そして力強く踏ん張るような三角形のコンパスレッグ(折り曲げ鋼板による脚部構造)。無駄を一切削ぎ落とした洗練されたフォルムは、単なる工業製品を超えた「彫刻的な美」を放ちます。
オランダのミッドセンチュリーモダンを代表する一脚であり、ヴィンテージデザイン愛好家や建築ファンにとって非常に価値あるコレクターズアイテムです。
同年代のデザイナーたち:Rob Parryとの関係性
前回ご紹介したロブ・パリーもまた彼らと同世代として深く交友・切磋琢磨し、家具メーカー「Gelderland(ヘルダーランド)」社を中心に
機能的でスタイリッシュな革新家具を次々と発表。素材の最小化と工業的美学を追求したダッチ・モダニズムの黄金期を築き上げました。
Gerrit Rietveld と Rob Parryの師弟関係の椅子が並ぶと、デザイナーが大切していたことがそのデザインから語りかけてくるようです。

ヘリット・リートフェルトと『デ・ステイル(De Stijl)』からの脈動
ヘリットが1918年に発表した不朽の名作『レッド&ブルーチェア(Red and Blue Chair)』は、三次元の立体を「面と直線の面交差」へと分解した、新造形主義(デ・ステイル)の金字塔でした。
「Mondial」チェアの横顔や背面を眺めると、まさにその遺伝子を感じることができます。背もたれと座面が作る直角的なアングル、それを独立したフレーム構造で支えるアプローチは、『レッド&ブルーチェア』の構成美をスチールと折り曲げ鋼板という現代の工業素材へと昇華させたものと言えます。
1958年に製造されたオリジナルはグラスファイバー製の座面で作られましたが、50年経った2006年に当時のデザインの意図を反映させた形で復刻され2022年まで生産を続けられていました。

フリソ・クラマーとの協働と「インダストリアルデザイン」への進化
ヴィム・リートフェルトは、父の芸術的・建築的哲学を受け継ぎつつも、より実用的で量産可能なインダストリアルデザインの道を切り拓きました。
その代表例が、オランダインダストリアルデザインの雄フリソ・クラマー(Friso Kramer)とのコラボレーションです。Ahrend / Cirkel社などで共に活動した彼らは、スチールシート(鋼板)を折り曲げて強度を出す「コンパスレッグ」の技術を洗練させ、1950〜60年代のオランダデザイン界を牽引しました(Result Chairなど)。
機能主義でありながら、視覚的な軽やかさと構造的な堅牢さを両立させる技術—それがこの「Mondial」チェアの脚部構造にも色濃く表れています。
オフィス空間にも使える一脚です。

【美しいシルエットとコンパスレッグ】
折り曲げ加工されたスチールフレームが側面に力強いラインを描きます。視線を遮らないすっきりとしたデザインは、ダイニングだけでなくワークスペースや店舗空間にも調和します。

【独自の構造美】
脚部と座面・背もたれを繋ぐジョイント構造。工業製品としての合理性と、美的ディテールへのこだわりが同居しています。脚先にはオリジナルのプロテクターキャップが装着されています。

【スチールシートの質感】
エッジの処理やリベット留めの佇まい。ヴィンテージ品ならではの経年による味わい(ペイントの剥げや質感)が、唯一無二の存在感(経年美/パティナ)を生み出しています。
書斎などにもオススメです。まるで彫刻のような唯一無二のデザインです。
メーカー名:Gispen
デザイナー:Gerrit Rietveld & Wim Rietvelt
年代:2000s(オリジナルは1957)
国:NETHERLAND
サイズ:W=492 / D=575 / SH=420 / H=782 (mm)






